10月10日「ラマダン」(水)
ラマダンとは断食のことでイスラム教徒が必ずしなければならない努めなのです。1ヶ月間、朝5:45~18:45まで(人によって多少教えてくれる時間が違うんだけど…)太陽が昇っている間は一切食べてはいけないし、水もつばも飲んではいけないのです。つばも?だから道を歩く人はつばを吐くし、バスに乗っている人は、ある程度つばをためて、窓からピューっと勢いよく飛ばします。この前、私が長時間バスに乗っていて、18:45近くになったら、次々と乗客が窓から顔を出し、ピュー、ピューつばを吐く回数が多くなっていったのです。やはり、もうすぐ食べられると思うと唾の量が増えるんだなと思いました。ラマダンは10歳以下の子供や妊婦、病気の人は免除されます。ところで何のためにラマダンをやるのか?それは、イスラムを信仰する人々がこの1ヶ月の日中はお互いに飢えの苦しみを分かち合い、同時に貧困に苦しむ人々に思いを致すためにやるそうです。
今年は9月12日からラマダンが始まりました。ただでさえ暑いニジェール。雨期と乾 期の間でさらに暑くなるこの時期、はぁ~、ちょっと歩けば水が飲みたくなる私。だけど、ニジェール人の前では飲めないし、私としてもつらい1ヶ月でした。もちろんニジェール人に比べたら軟弱極まりないけど。でも、私だってトライしてみたのです。ニジェール人に「君もニジェールにいるからやってごらん」と言われ、(ザルマ語で言われているのでこの解釈で合っているのか分からないけど)2、3日やってみたけど、もう駄目、耐えられない!私は学生時代、「食欲星人」と呼ばれていたくらい食べることが好き!もう昼過ぎには水はがぶ飲みするし、「いいんだ、いいんだ、もう食べちゃうんだ!」とガツガツ食べちゃいました。ニジェール人に「辛くないの?難しいよー。」と言うと、「難しくないよ。」と言います。10歳からやっているから体は慣れているようです。ラマダン中は、道のあちこちでござを敷いて男の人たちが寝ています。ああ、確かに働く気なんて起きないでしょ。ちなみに、ニジェール人、普段でも平日のこの時間に?と思ってしまうけど、あちこちで集まって楽しそうにおしゃべりしています。私は結構、この光景が好きです。とにかくこの1ヶ月は「断食はしているのか?」とあちこちで聞かれ、「日本ではあまりこの様な1ヶ月の断食をする人はいないよ。」と言うと、「何でだ?日本にはないのか?」と行ってきます。ニジェールの人にとって断食をしない国なんてあるのか!と信じられないような口調で尋ねてきます。私の方こそ、みんなこんな長く苦しい努めをなんて、ニジェール人、本当にすごい信仰心だと尊敬しました。でも、1日のラマダンの終わりの時間になるとみんなうれしそう、いい顔です。来年こそは2、3日でもラマダンをちゃんとやって、ニジェール人と気持ちをラマダンの努めを終えた1日の喜びを分かちあいたいなぁ。「言うのは易し、行うは難し」だけど…。